【保存版】CPUクーラー「簡易水冷」「空冷」のメリット・デメリットについて

皆さんは「CPUクーラー選び」で迷った経験はないだろうか?

主に「簡易水冷 or 空冷」のどちらを買えばいいのか問題。

  • 空冷
    → ファン送風をして金属板を冷却する方式。
  • 水冷
    →冷却水を循環させて冷却をする方式

そこで今回は掘り下げてどちらがいいのかを詳しく紹介いたします!

解説内容
  • CPUクーラーの冷却性能がなぜ重要なのか
  • 「簡易水冷」は「空冷」の上位互換なのか?
  • 「簡易水冷」と「空冷」の仕組みの違い
  • 「簡易水冷」と「空冷」のメリット・デメリットについて

簡易水冷の値段が下がり買いやすくなってきた今こそ、両者のメリット・デメリットを知っておくことが大切です。

それでは詳しくご紹介いたします!

CPUクーラーの冷却性能が大事な理由

理由は「CPU本来の性能が引き出せなくなる」からです。

CPUの温度が上昇しすぎると「サーマルスロットリング」が発生します。

サーマルスロットリングとは

サーマルスロットリングとはCPU温度が上昇しすぎた場合にクロック周波数を下げる機能です。

クロック周波数を下げることでCPUの発熱量を減らすことができ冷却を行いやすくします。

ザックリ言うと「CPU性能を下げて冷却する機能」ですね。

これではCPU本来の性能を発揮できませんね。

そのためCPUクーラーを選ぶ目安として「高負荷時にサーマルスロットリングが発生しない」レベルの物を選ぶことが大切です。

最近のCPUは高性能な反面、熱量も増えているので是非覚えておいて損はありません。

簡易水冷はが空冷の上位互換なのか?

簡易水冷の開封前

実際のところ冷却性能だけで言えば「簡易水冷」の方が高いです。

私は「MSI製 360mm簡易水冷」と「Noctua NH-D15 空冷」持っており、よりCPUを冷やせたのは簡易水冷でした。

実際の検証内容は以下の通り。

検証内容

① PC起動後10分アイドリング
② 検証ソフト:cinebench r23を5回連続実行
③ 実行後のCPU温度を計測

結果は以下の通り

  最大温度 価格
簡易水冷 (MSI 360mm) 73℃ 20,000円
空冷 (Noctua NH-D15) 77℃ 13,000円

圧倒的な差でもないので、何とも言えないところです。

一応結果としては簡易水冷の方が4℃も低い。

この結果を見て「4℃も違う!」か「4℃しか変わらない」と意見が分かれると思います。

  • 4℃も違う!の方
    →「簡易水冷」を買いましょう!

  • 4℃しか変わらない!の方
    →「空冷」を買いましょう!

予算は気にせず冷却効率だけを求めたいなら簡易水冷はおススメです。

ただ空冷でもNoctuaのような高性能な物もあるので、高性能CPUだからと言って簡易水冷の一択と言うわけではないので安心してください。

「簡易水冷」と「空冷」の仕組みの違い

イラストを見てもらえれば分かる通り全く違います。

構造を見た所で「ヘー!コリャスゴイデスネー(棒読み)」となりそうだが、私はこの手のパーツは大好きなので勝手に紹介します。

世界最強のお絵かきソフト「ペイント」で書いてみました。

■ 空冷の仕組み

■簡易水冷の仕組み

どちらも熱をファンによって排熱するので、構造は違えど仕組みは似ています。

「簡易水冷」のメリット・デメリット

まずは「簡易水冷」からご紹介!

簡易水冷のメリット

メリット
  • CPU周りがスッキリする
  • 冷却効率が非常に高い
  • エアフローが不要

1つずつ解説します!

CPU周りがスッキリする

PCケース内がかなりスッキリします。

参考として以下の画像を見てみてください。

■ 空冷

■ 簡易水冷

簡易水冷は非常にスッキリしています。

これで冷却性能が空冷より高いので、そりゃ流行るわけだ・・・・

冷却効率が非常に高い

360mmの簡易水冷ともなると、空冷では到達できないほどの冷却性能があります。

アイドリング時の温度に戻るスピードは簡易水冷が2倍以上速いです。

CPUの熱を早く奪えるというメリットがあります。

お湯作るのに時間が掛かるのと同じで、液体を温めるのは大変な訳です。

ラジエターで常に冷却も行っているわけですから、効率が非常に良いです。

エアフローが不要

簡易水冷であればエアフローがあまり必要ありません。

簡易水冷は熱をラジエターまで運び排出するので、ケース内のエアフローを気にする必要は余りありません。

そのため小さいPCケースなどエアフローが確保しずらい場合には簡易水冷は相性抜群です!

簡易水冷のデメリット

デメリット
  • 240mm以上の簡易水冷でないと空冷と変わらない
  • 耐久性が微妙
  • 値段が高い
  • 動作音が静かではない

1つずつ、解説します。

240mm以上の簡易水冷でないと空冷と変わらない

まずは簡易水冷のサイズをご紹介します。

  • 120mm (120mmファン × 1)
  • 240mm (120mmファン × 2)
  • 360mm (120mmファン × 3)
  • 480mm (120mmファン × 4)
  • 280mm (140mmファン × 2)
  • 420mm (140mmファン × 3)

実際「MSI 360mm簡易水冷」と「Noctua NH-D15」の温度差はたったの4℃です。

最大温度で言うとそこまで空冷と差はありません。

また360mmクラスは取付けられるPCケースが限られる為、性能はスゴイが実用的ではありません。

なので多くの方は240mmクラスを選ぶと思いますが、これなら「Noctua NH-D15」と同等性能になってしまいます。

これなら遭えて簡易水冷を買う必要はないとも言えます。

耐久性が微妙

残念ながら簡易水冷の耐久性は空冷に比べると低いです。

実際、MSI製の簡易水冷は2年持ちませんでした。
>【簡易水冷はゴミ】2年持たず壊れたので原因と症状のまとめ

簡易水冷は冷却水をウォーターポンプで回していますが、そのポンプの耐久性があまりよくありません。

厄介なのが動いているか外から分からないこと。

壊れる原因をまとめると以下の通り。

  • ウォーターポンプの故障
  • 冷却水ホースの断線
  • 冷却水漏れ

冷却性能も空冷と微々たる差と考えると、見映え以外で簡易水冷を選択するメリットってあまり無いと思っています。

耐久性を求めるならポンプなどの駆動パーツが無い「空冷」の方が絶対におススメです!

値段が高い

簡易水冷はNZXTなどの人気メーカーであれば非常に高価です。

サイズ別

■120mm簡易水冷

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NZXT
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■240mm簡易水冷

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NZXT
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■360mm簡易水冷

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NZXT
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240mmで20,000円、360mmで3万円を超えてきます。

しかもCPU温度が見れるモニター付きの簡易水冷なら360mmで5万円オーバーです!

ネタでない限り信頼できるメーカーを選ぶはずなので、財布には痛いですね。

動作音が静かではない

簡易水冷は静音と思っている方がいますが間違いです。

結局「空冷」と「簡易水冷」どちらもファンを使って冷却しています。

プラスで簡易水冷の場合「ウォーターポンプの動作音」もあるのでより音の発生源が増えます。

とは言っても気になるレベルでは無いですが。

そのためファンの回転数を抑えることが重要になってきます。

「空冷」のメリット・デメリット

空冷のメリット

メリット
  • 安価でそこそこ冷える
  • コスパは抜群
  • 耐久寿命が長い

では解説します!

安価でそこそこ冷える

空冷は簡易水冷と比べて非常に安価で1万円を切るモデルがほとんどです。

また冷却性能に関しても申し分なく「Noctua NH-D15」や「Deepcool Assassin III」であればRyzen9 3900Xレベルであっても余裕で冷却できます。

詳しくは以下でレビューをしています!
>360mm簡易水冷並みに冷える「Noctua NH-D15」のレビュー!

常にCPU使用率が100%のような使い方をする人でない限りは、空冷でも全く不満を感じることは無いと思います。

コスパは抜群

空冷はコスパが非常に優れています。

最上位モデルであっても25,000円程度です。

大体は1万円以下ですが。

空冷の種類

■ 最強クラス

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■ミドルクラス

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サイズ
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簡易水冷の場合NZXTなどは30,000円を超えるモデルもあることから空冷のコスパは群を抜いています。

耐久寿命が長い

空冷は構造がシンプルなので耐久性が高いです。

簡易水冷とは違いウォーターポンプなどの駆動パーツが無いため寿命は非常に長い傾向があります。

実際サブPCについている空冷CPUクーラーは8年以上問題なく使用できています。

簡易水冷も寿命が延びてきているとは思うが、まだまだ空冷には及ばないのが現状です。

空冷のデメリット

デメリット
  • PCケース内が窮屈になる(良く冷える空冷は基本デカい)
  • メンテナンス性が悪い
  • エアフローが必須

では解説します!

PCケース内が窮屈になる

空冷の場合ヒートシンクのスペースも確保する必要があります。

良く冷えるCPUクーラーは基本デカい!(よく覚えておきましょう)

そのためCPU周りが窮屈になります。

個人的には中身が大量に詰まっている感があるので好きですが、好みが分かれる部分であります。

ケース内をスッキリさせたいなら「簡易水冷」をおススメします。

メンテナンス性が悪い

デカいCPUクーラーあるあるですが、脱着が大変です。

クリアランスが指1本分ぐらいしかありません。

そのためファンをヒートシンクに引っ掛けようとするとグラフィックボードを外す必要が出てくるなど不便です。

しかもグラボのロックレバーに手が届きません。

そのためドライバー等でロックレバーを解除する必要があったりと地獄です。

エアフローが必須

空冷の場合はケース内温度が冷却性能に影響するので、エアフロー対策は必須です。

なるべくケース内に熱が籠らないようにする必要があります。

とは言っても前面吸気、後方排気なら全く問題はないとは思いますが。

両者をまとめると

両方をまとめるとこんな感じ

簡易水冷
  • 高価だが良く冷える
  • 耐久性はイマイチ
  • エアフローを考えなくていいので楽
  • CPU周りがスッキリする

空冷
  • 冷却性能に対し非常に安価
  • 耐久性に優れいている
  • 取付が楽ちん
  • メンテナンス性が悪い

  • 冷却性能を重視したい → 簡易水冷
  • ケース内をスッキリさせたい → 簡易水冷
  • 小さいPCを使いたい → 簡易水冷
  • コスパを重視したい → 空冷
  • 耐久性を重視したい → 空冷
  • 取付けやすさ → 空冷

冷却性能だけなら「簡易水冷」だがコスパなどトータルバランスで言えば「空冷」に軍配が上がります。

より大きいほど冷えることに関しては両者変わらないが、大きくなればなるほど「簡易水冷」が本領を発揮するので、デカいPCケースなら360mm簡易水冷を狙うのもアリ!

基本的には空冷で全く問題は無いです。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございました!

「簡易水冷」も「空冷」もどちらもメリット・デメリットがあるので、選ぶ際の参考にしてもらえると嬉しいです。

両者ともに使ったことがあるので、興味のある人は以下も参考にしてみてください!

>MSI簡易水冷(360mm)がどれぐらい冷えるか検証!

>360mm簡易水冷並みに冷える「Noctua NH-D15」のレビュー!

 

以上、ありがとうございました!